憎きヒヨドリの駆除と対策方法
ヒヨドリは全国に分布する小型の鳥で、果樹に食害するため農家の方々にとっては駆除したい害鳥です。果物、野菜を育てたことがある方は分かると思いますが、丹精を込めて育てた野菜、果物を害獣に食べらると、怒りと悲しみが湧き上がってくるものです。ヒヨドリは特に出荷前の甘くなった果実を時期を見計らったように食害をするので、ヒヨドリが憎いと思う方も多いのではないでしょうか。ヒヨドリの駆除はかわいそうと感じる方もいるかと思いますが、みかんやブルーベリー農家にとってヒヨドリの食害問題は死活問題で、駆除、対策を行わなければ農業を捨てなければならないほどの事態に見舞われます。そんな、ヒヨドリの被害に合われている方向けに、このページではヒヨドリの駆除方法と対策を方法をご説明します。
見出し
対策の第一歩、敵を知る:ヒヨドリの特徴
どんなことでもまずは自分が何と戦っているのか理解しなくては対策を立てられません。逆に敵の事を深く理解していると戦いの半分は勝利したと言っても過言ではありません。ですので、まずは敵がどういうものなのか理解していきましょう。
ヒヨドリは、全長平均27.5cm、体の色は全体的に灰色気味でスマートなサイズ感をしています。スズメの仲間で、目に見てわかるような雌雄の違いはありません。南部に行くとヒヨドリの体色は濃くなる傾向があります。ヒヨドリに似た鳥でイソヒヨドリという種類がいますが、ヒヨドリとは別の種で、狩猟対象ではないので気を付けてください。見分け方は頭部に冠羽があるかどうかで見分けることができます。また、生息域もイソヒヨドリは基本的に海岸近くに生息するため、生息場所でも区別することが可能です。食性も異なり、イソヒヨドリは果樹を食害しないので害獣ではなありません。
狩猟読本にも書かれていますが、ヒヨドリは数度羽ばたいて滑空するというような特徴的な飛び方をするので飛び方で簡単に見分けることができます。
鳴き声と名前の由来
ヒヨドリの名前の由来は諸説ありますが、「ヒーヨヒーヨ」と鳴くその鳴き声からヒヨドリと名付けられたとする説が一般的です。鳴き声には様々な種類があり、ヒヨドリがうるさいと言われている原因とされるのは、仲間に危険を発する警戒音が大きいためです。また、鳴き声自体が笛を鳴らすような甲高い声で鳴くので、うるさいと感じる方が多いのも事実でしょう。それゆえ、農家の方でなくとも近隣に巣を作られた人は駆除したいと考える方もいるようです。
生態と繁殖方法
繁殖期 | 4月~9月 期間中に1〜3回くらい繁殖をする |
孵化までの期間 | 1回で3〜5個の卵を生み、約2週間で巣立つ |
巣を立つまでの期間 | 1ヶ月 |
巣を作る場所 | 主に高い木の上だが、低い木の上でも作るため、ある程度の高さの木の上しか巣を作成しないわけではない。 |
ムクドリと同じく繁殖期には巣で生活しますが、巣立って以降は基本的には群れを作らず単体で飛びます。ヒヨドリはかつては渡り鳥でしたが、今では環境に適応し今では留鳥として日本全国に一年中生息しています。
食性
・昆虫
・果実
・花やその蜜
・ガマズミやナンテン等の木の実
農作物では果樹や果菜類、葉菜類の被害も多く見られます。ムクドリと食性は似ていますが、ヒヨドリはムクドリとは違いショ糖を消化できるので、ヒヨドリはかんきつ類に被害を出す代表的な鳥です。
性格
基本的に警戒心が強く、特にサイズの大きい鳥類には基本的に近寄りません。自分より小さい相手には攻撃的で、時には仲間内でも攻撃的になるなど、決して大人しい種類の鳥類ではないと言えるでしょう。同じ狩猟鳥獣の雉は雛のうちから育てても懐きにくいですが、ヒヨドリはひなのうちから育てれば手の上に乗るなど人間に懐くため、ペットとして飼うことも可能です。しかしながら狩猟免許を持っている人でも猟期中の雛の捕獲、卵の採取は禁じられているので、捕獲許可を得ている人以外は雛から育てる事は不可能です。
ヒヨドリの 弱点
ヒヨドリはムクドリと同じく、本能的に苦手な色や音といったものがないため、ヒヨドリ対策をする際、色や音で威嚇する方法では一時的な効果しかありません。ヒヨドリは賢い鳥の部類に入り、ヒヨドリ対策の道具やその使い方等、いくつかの対策を組み合わせて、できるだけヒヨドリにその対策に慣れさせないことが必要です。
ヒヨドリの 天敵
- 鷹や隼などの猛禽類 ※鷹や隼はヒヨドリを狙って食べる習性があります。
- カラス
- フクロウ
- 猫
- 蛇
ヒヨドリはムクドリよりも敏捷性に欠けるため、ムクドリよりも襲われやすい傾向にあります。群れで行動するムクドリよりも単体のヒヨドリのほうが狙われやすくなる、というのもその理由の一つでしょう。
ヒヨドリの嫌いな音
人間には聞くことのできない超音波を使った鳥類に対する対策がありますが、最近の研究によると、鳥の聴覚は人間の聴覚よりも劣るという研究結果の発表がされています。したがって、超音波装置を使ったヒヨドリ対策は、実際には効果を持たないということになります。しかし、農研機構が行ったオナガのアラームコールに対するヒヨドリの反応によるとオナガの警戒音はムクドリやヒヨドリの警戒音に似ており、この警戒音を録音した物を流すことでヒヨドリ撃退の効果を確認できたと示されています。オナガの警戒音を使用する方法はオナガが生息している範囲でしか効果がないため、注意が必要です。また、この警戒音を使用した撃退法の実用化に向けて農研機構では開発を進めているようです。(最新の状況を農研に確認中です)しかしながら、実験結果から分かるように音による撃退は慣れが生じるため、脅威を与えてヒヨドリに危険な場所と認識させる副次的な効果を狙えるスリングショットによる物理的な駆除や、後述の様々な方法を組み合わせて対策を行うほかありません。
ヒヨドリの嫌がる匂い
鳥類は嗅覚ではなく視覚でエサを探すため、基本的に忌避効果があるとされる臭いを発する物の効果は期待できません。愛媛県立果樹試験場研究報告によるとヒヨドリに対してインドール酢酸系(接ぎ木等に使用される薬剤)の薬剤を木につるすと被害軽減効果が見られるが、木酢液を吊るして被害状況を測る実験ではヒヨドリに対しては効果が全く見られなかったという結果が出ています。忌避剤として木酢液が有効というように説明しているサイトがあるようですが、それらの対策は全く根拠がないものです。
みかん農家、ブルーベリー農家のためのヒヨドリ駆除と対策方法
すでに被害にあっているミカン農家、ブルーベリー農家の方はすぐにでもヒヨドリを駆除したいとお考えでしょう。物理的にヒヨドリを駆除するにも様々な方法があり、対策方法も多岐にわたります。他サイトでのヒヨドリ対策方法の中で間違っているものや、効果がない物を紹介している場合があるため、ここでは一般的に言われるヒヨドリ対策方法について効果は有るのか、どの程度のものなのか説明していきます。
廃棄した農作物の迅速な処理
ヒヨドリに被害への対策としてまずすべきことは、ヒヨドリの餌になる可能性のあるものを置いておかないことです。ヒヨドリに魅力的な餌場と認識させないことがヒヨドリ対策を行う上で最も重要なことであるので、これは非常に効果がある対策方法です。
野菜や果樹など農作物を育てていると、虫に食われていたり、生育不足など、その過程でどうしても商品にならない作物を間引く必要がでてくるでしょう。おそらくそれらの間引いた作物は、作業効率を考え後でまとめて廃棄するために、畑の隅にまとめて置いておくことが多いかと思います。これらの廃棄物をそのままにしておくと、ヒヨドリの餌として被害の原因になる可能性があります。多少手間はかかりますが、こまめに廃棄、ないしは堆肥化で土の中に埋めることを心がけましょう
廃棄した農作物を使用した代替え餌
この方法はすでに被害が出ている圃場での対策方法です。追い払って被害を減らすのではなく、食害されると困る農作物よりも魅力的な代替え餌を用意してそちらをヒヨドリに食べてもらうという方法で、三重県科学技術振興センターの報告書によるとカンキツ農場での実験によって効果の証明されている方法です。これによると、最もヒヨドリが好む青島温州みかんよりも代替え餌のほうが摂取量が多かったことが報告されており、圃場から少し離れた場所にヒヨドリを誘引することで食害被害を減らせる可能性が示唆されています。使用した代替えエサはオカラにポンカンを混ぜたもので、代替え餌の摂取量は青島温州の2倍程度であったと示されています。かんきつを育てていない場合でも食害されると困る農作物の廃棄品にオカラを混ぜ代替え餌を作成し誘引することで被害の軽減が期待できるかもしれません。また、代替え餌で誘引した後、餌を食べているヒヨドリをスリングライフルやスリングショットで駆除するというような方法を取れるのもこの方法のメリットではないでしょうか。
防鳥網(防鳥ネット
被害が予想されるエリアに防鳥ネットを設置し、ヒヨドリの侵入経路を塞ぐことも効果的な対策の一つになります。設置するだけ簡単に侵入を防ぐことができますが、すでに侵入されて巣を造られている状況では効果がないため、事前の対策の一つとして考えておく必要があります。ただし、ネットの網目が荒かったり、強度が弱かったりすると、引き裂かれてしまう恐れがあり、また雪や雨などの天候にも影響を受けてしまう可能性もあるため、できるだけ質の良いネットを選ぶようにしましょう。ヒヨドリ対策の防鳥ネットの目安は、材質はポリエステル、400デニール以上、網目が25ミリ以下の物、糸はより糸、一本糸のどちらでも可です。ただし、25ミリではヒヨドリが中に侵入してしまったケースが報告されいるため、安全マージンを考慮して20ミリ以下の網を張ることをお勧めします。
また、ネットと地面の隙間から入り込まないようにできる限り隙間は開けないようにペグ等で固定した上で設置すること、ネットが垂れ下がり網の外からの被害を受けないよう、ネットは弛まないようにしっかり張る必要があります。また、防鳥ネットは果樹をスッポリ覆うタイプとハウスのようにエリアごと囲うタイプがあり、囲うタイプの防鳥ネットだと10aあたり50万前後のコストがかかるので自身の状況に合わせて選択する必要があります。この記事にコメントしてくださった方からの情報によると、果樹をスッポリと覆うタイプを使用する際の注意点として、ネット越しでも果実を捕食しようとするので、ネットと果実の間にある程度の隙間は確保しなければならないということです。ネットを張ってもその上に乗って隙間から食害を行う事からヒヨドリの執念深さがうかがい知れます。
なお、ヒヨドリはテグスを嫌がらないようなので、防鳥テグスはほとんど意味がありません。
予算があまりないので低価格で簡易的な防鳥網を設置したいという場合はホームセンターで手に入る材料で作成する農研機構が出しているマニュアルらくらく設置 3.5が参考になります。
鳥よけテープ
田畑でよく見かけるキラキラしたテープの事ですが、このテープを枝に巻き付けておくだけで、ヒヨドリはそのテープを天敵である蛇だと勘違いして寄ってこなくなります。
鳥よけテープ自体はホームセンターで500円くらいで手に入れることができるため、効けば費用対効果の高い対策の一つと言えます。防鳥テープ以外にも、背の高い竿の先に風になびく旗や吹流しを設置することも有効です。実際の効果のほどは効いたり効かなかったりと地域差が出るようです。効いたらラッキー程度に考えておくのがよいかもしれません。
ヒヨドリの天敵の置物を設置する
タカ、隼、フクロウなど、ヒヨドリの天敵になる生物の模型を置いておくと、ヒヨドリが本物だと勘違いして寄り付きにくくなります。鳥獣対策の研究者である中村和雄氏によると模型が本物に近ければ近いほど、ヒヨドリが近づかなくなる効果があるとしており、使用するなら本物そっくりな物を使用したほうが良いでしょう。人間に近い形状をしたカカシを設置しておくことも効果が期待できますが、動きがないような物だと慣れが生じて効果の減衰率が時間とともに大きくなっていく事も考慮してください。
農林水産庁研究報告ではヒヨドリに対してフクロウなどの猛禽類の模型を置いた場合25~30%程度の被害軽減が見込めるとの実験結果が出ており、模型や案山子の設置は、効果が期待できる上、対策も簡単でかつ費用も抑えることができるため、やっておいて損はない対策方法の一つです。
ただし、慣れが生じるので置物での対策だけではなく、他の対策と併用しなければ長期間の対策は無理であることを忘れないでください。
LED、光が反射するものの設置・レーザーポインター
”発光ダイオードの照射がヒヨドリによる果実の採食行動に及ぼす影響”によると、イチゴに対して青色のLEDを照射すると忌避効果が見込めるようです。しかし、ブドウに対しての実験では効果は認められなかったようなので、果樹によっては効果がない場合がありますが、一つの対策方法として試す価値はあるかもしれません。使用する装置はセンサー付きの一般的に販売されている機器で、LEDを青い色のものに変更し使用することができます。前述の研究内容によるとイチゴ以外の果実に使用する場合、効果が見込めるかどうかは元々の色に依存する可能性を示唆しており、もともとの色が赤色に近ければ効果を望めるかもしれません。ただし、他の対策と同じく近寄っても問題ないとヒヨドリが学習してしまうと効果が薄くなってしまいますので、なるべく慣れが生じないよう、他の対策と併用するようにしたほうが無難です。
ヒヨドリへのレーザーポインターの撃退効果
レーザーポインターのヒヨドリに対しての効果ですが、カラス撃退用に使用したレーザーポインターをヒヨドリに実際に当てて効果を測定しました。結果は、ヒヨドリは止まっている木からは飛び立ちましたが、そのエリアから一目散に飛び去るわけではなく、他の木にに飛び移る程度の撃退効果しかありませんでした。使用したのは国内の規制に準拠したもので、国外から個人輸入で規制外の強力なものを使用すると結果は違うのかもしれませんが、個人輸入のリスクと、一瞬で人間の目を失明させてしまうレーザーポインター自体を使用するリスクがあるので、お勧めはできないです。こちらに関してコメントをいただきましたが、効かない場合もあるとのこと。ヒヨドリ対策は一筋縄では行かないですね。
毒餌
農薬を使用した毒殺や、毒餌の使用したムクドリの殺害による対策は鳥獣保護管理法の禁⽌事項に抵触する違法な駆除方法に当たるため、原則禁止されています。ただし、各自治体に申請すれば駆除許可が下りる場合がありますので、対策する場合には前もって各自治体に許可を取るようにしましょう。許可を得ているかどうかは別として、過去に鳥類の不審死を検死した結果の報告書によると、有機リン系の殺虫剤のシアノホスが使われているようです。この農薬はサイアノックスに含まれる殺虫効果のある有効成分で、鳥類に対しては非常に強い毒性があることが判明している農薬です。
スリングショット・スリングライフル
<
合法的かつ、確実な駆除となると、物理的にヒヨドリを殺傷することのできるこちらのスリングライフルがお勧めです。この方法はムクドリの駆除でも使用される方法で、一般的には広く知られていないですが、ヒヨドリの駆除は使用する道具によって狩猟免許が必要かどうかが変わります。銃、罠、網でヒヨドリを駆除する場合狩猟免許が必要になりますが、それ以外の禁止猟法、危険猟法に当たらない場合に限り、猟期中は免許不要でヒヨドリを駆除できます。詳しくは自由猟法の記事で法律的な解釈を説明しているのでご覧になってみてください。
直接的な駆除は個体数を減らせるだけでなく、付随する効果としてのヒヨドリに対しての威嚇効果が最も高く、ヒヨドリに対して直接的に脅威を与えることができるため慣れも生じにくく、被害が大きくなる時期だけでも駆除を行うと被害額の激減が望めます。
追い払い程度で、そこまで精度は必要ない方には、練習が必要ですが、狩猟用スリングショットもお勧めです。
ソフトエアガン
エアガンは猿撃退グッズとしてよく使われており、ヒヨドリの場合体が小さいので頭部に直接当てる事ができれば脳震盪を起させることも可能ですが、確実な殺傷は難しいでしょう。殺傷を主目的とせず、追い払うという目的であれば、ヒヨドリに近づく事なく追い払う事ができるという点で、おすすめの撃退方法になります。また、常時設置する装置類とは違い、人が直接的にヒヨドリに対して威嚇を行うため慣れてしまう可能性が低いところもこの対策が有効なところになります。追い払いにはエアガン、駆除にはスリングライフルを使用するというような組み合わせることでより有効な対策をすることができるでしょう。
むそう網(無双網)
無双網とは、鳥がまき餌に誘われて地面に降りた際に、地面に伏せておいた網を離れた所から一気に引っ張り上げる事で、網を鳥に被せて捕獲する方法のことを言います。網の形状にも種類があり、「穂打ち」「片むそう」「双むそう」「袖むそう」があります。網によるヒヨドリの捕獲は鳥獣保護法の規制の対象となるため、本来網猟免許が必要になりますが、捕獲場所が自宅の敷地内で柵に囲まれている場合、狩猟免許無しで合法的にヒヨドリの捕獲、駆除が行えます。(鳥獣保護法11条2項ロ参照)
鳥に対して直接的に効果を与える対策になるため、慣れが生じることもなく、対策としては非常に有効なものとなるでしょう。
ただし、設置にはある程度の時間がかかり、実際にヒヨドリが降りてきたタイミングを見計らって網を人力で引き上げる必要がある上に、網での捕獲はコツがいるため、ある程度のトライアンドエラーが必要となります。
対策方法のまとめ表
対策方法 | 効果 | 費用 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
廃棄農作物の適切な処理 | ★★★★★ | ★★★★★ |
|
|
廃棄農作物を使用した代替え餌 | ★★★★ | ★★★★★ |
|
|
防鳥ネット | ★★★★★ | ★ |
|
|
鳥よけテープ | ★ | ★★★★ |
|
|
天敵の置物 | ★★★ | ★★★★ |
|
|
LED | ★★★ | ★★★ |
|
|
光の反射するものの設置 | ★★ | ★★★★ |
|
|
レーザーポインター | ★★ | ★★★★ |
|
|
毒餌 | ★★★★★ | ★★★★★ |
|
|
スリングショット | ★★★★★ | ★★★★★ |
|
|
スリングライフル | ★★★★★ | ★★★ |
|
|
エアガン | ★★★ | ★★★ |
|
|
無双網 | ★★★★ | ★★ |
|
|
ヒヨドリの農作物への被害
参照:https://arachie.blog.fc2.com/blog-entry-294.html
ヒヨドリの被害額は令和元年で約6億円で果樹が3億、野菜が2.5億円と甚大な被害を出しており、果物の中でも柑橘類などの被害のウェートが大きいです。ヒヨドリは特に皮が薄いものや柔らかく甘いものを好んで食べる傾向にあるため、完熟したミカンなどはヒヨドリの大好物となります。また、カラスやハトなど他の鳥類の被害と違い、被害の範囲や深刻さは毎年変化していきます。例年ヒヨドリの被害を受けていない農家でも、ある年から突然被害を受けるようになったというのはよくある話なので、今まで被害がなかったからといってこれからも安全とは言い切れません。ヒヨドリは非常に賢い鳥なので、無警戒のエリアを発見するとすぐにそこを餌場にしてしまいます。被害が深刻になる前に、事前の対策をしておくことが重要です。
ヒヨドリを駆除する際の注意点
ヒヨドリの対策をする際に最も重要なことは、色々な対策を組み合わせ、ヒヨドリに対策に対する慣れを生じさせないことですが、駆除する際に注意すべき点があります。
伝染病
鳥に触れたからといって必ずしも伝染病に羅漢するわけではありませんが、糞を媒介にして感染するケースや、死骸に触れることで感染するケースもあります。また、野生のヒヨドリは、体内や羽毛などに細菌や寄生虫などの病原体を持っていることがあります。対策をする際にはできる限り素手で触ることは避け、触る場合には手袋を着用し、触った後は手洗いとうがいを徹底するようにしてください。具体的な病気として、重症になると肺炎の症状を引き起こすと言われている”オウム病”や、皮膚炎から最悪の場合には菌が脳にまで侵食することで人間を死に至らしめることもある”クリプトコッカス症”、急性顆粒結膜炎の症状を引き起こすニューカッスル病などがあります。
ヒヨドリの知能の高さ
本記事でも何度も述べているように、ヒヨドリは賢い鳥類に分類されます。仮に音や光を発するものでヒヨドリを追い払ったとしても、それはあくまでも一時的なもので、すぐに見破られてまた戻ってきてしまう事がほとんです。ヒヨドリの対策で一番重要な事は、いくつかの対策を組み合わせて、それぞれの装置をこまめに違うものと交換し、ヒヨドリにその対策に慣れさせないようにすることが重要なことになります。危害がないと分かればすぐに慣れてしまいますし、一度その場所を餌場だと学習すると、場所を覚えてしつこいぐらい繰り返しやってきます。そのまま放置しておくと年を重ねるごとに被害が拡大していく傾向があるため、一度でもヒヨドリが来たらできる限り早急に対策を施すべきです。また、鳥類はイノシシやシカなどの害獣と違い、上空からでも簡単に侵入することができるため、広範囲に渡る防鳥ネットの設置にはある程度の労力やコストがかかります。そういう意味でヒヨドリを直接駆除できる、網猟やスリングライフルでのヒヨドリ駆除が最も低コストで行える対策であると考えます。
ヒヨドリを食べる
農作物や果樹を食害する厄介なヒヨドリですが、実は猟師からは人気の鳥です。それはひとえに美味しい鳥だからです。昔は焼き鳥といえばスズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、キジを指すもので、ヒヨドリも一般的に食べられているものでした。ヒヨドリは基本的に脂がのっている鳥ではなくさっぱりとした少し独特の風味(ハーブ?のような)があり、肉質は雀に近いと思います。むね肉の部分はレバー味が濃くマガモやカルガモのむね肉の味に非常に近いと思います。火を通しすぎるとパサつくので、調理時には注意が必要な鳥です。食べるものによるとは思いますが、栄養価の高いもの、例えば糖度の高い果物などを食している場合脂がのっている個体もいます。脂ののる時期は基本的に冬で、この時期のヒヨドリは冬を乗り切るため太るのだそうです。憎きヒヨドリですが調理してしまえば美味しい夕食になるので、食べて成敗するのも良いのではないでしょうか。
ヒヨドリのレシピ
ヒヨドリは醬油や焼き肉のたれをつけて串にさし焼き鳥スタイルで食べるのも美味しいですが、肉に油があまり乗っていない場合が多く、火の通し方で肉がパサつくので油を補填するような料理や煮込み料理がお勧めです。
ヒヨドリのロースト
材料:
- ヒヨドリ: 2羽
- 塩: 適量
- 黒胡椒: 適量
- フレッシュローズマリー: 数枝
- ニンニク: 2片
- オリーブオイル: 大さじ2
- レモン: 1個
- バター: 50g
- ホワイトワイン: 200ml
手順:
捕獲したヒヨドリの羽をむしり、内臓を取ります。(ヒヨドリが沢山獲れた時は熱湯に30秒ほど羽がついたまま入れてから羽をむしる湯剥きがおすすめです。)次に、内部に塩と胡椒を振り、ローズマリーとニンニクを詰めま体全体にオリーブオイルを塗り、オーブンで予熱した200℃のオーブンで約20分間焼きます。その間に、フライパンにバターを加え、レモンの絞り汁とホワイトワインを加えてソースを作ります。ヒヨドリが焼けたら、ソースをかけて完成です。
ヒヨドリのトマト煮込み
材料:
ヒヨドリ: 2羽
塩: 適量
黒胡椒: 適量
ニンニク: 2片
オリーブオイル: 大さじ2
赤ワイン: 200ml
トマトソース: 400g
ベイリーフ: 2枚
ローズマリー: 1枝
タイム: 1枝
手順:
上記と同様にした処理済みのヒヨドリに塩と胡椒を振ります。
フライパンにオリーブオイルを熱し、ヒヨドリを全体がきつね色になるまで焼きます。
ニンニクを加えて炒め、香りが出たら赤ワインを加えてアルコールを飛ばします。
トマトソース、ベイリーフ、ローズマリー、タイムを加えて混ぜ、蓋をして弱火で1時間ほど煮込んで完成です。
まとめ
一口にヒヨドリの駆除や対策と言っても、種々様々なものが存在します。もちろん、被害の程度も人それぞれなので、被害の程度、費用対効果、その他諸々の事情を考慮した上で、できる対策をできるだけ多く組み合わせてヒヨドリによる被害をできる限り減らしましょう。本記事がヒヨドリに悩む方への参考に慣れば幸いです。
憎きヒヨドリ!のタイトルに釣られてこのページに来ました。
集団で来るムクドリ、ヒヨドリに悩まされています。
防鳥網の隙間から入るやつもおり、歯を噛みしめています。
猟友会も高齢化と人手不足でなかなかヒヨドリ、ムクドリの駆除を行ってもらえず、、、
無双網とスリングライフルでの駆除が合法的に可能なのは知りませんでした、法的に問題ないのなら早速自分で駆除をしようと思います。
参考になりました。
ありがとう。
縮みほうれん草の葉に穴をあけるわ葉をかじるわ-売り物になりません回りに民家はないのですがー
縮みほうれん草の葉に穴をあけるわ葉をかじるわ-売り物になりません回りに民家はないのですがーこれから産卵の時期なので巣を狙った方法は?
同じく、憎きヒヨドリ!のタイトルに釣られてこのページに。
特に冬!!ヒヨドリに早朝から一日中けたたましく鳴く声と糞被害に毎日イライラさせられ悩まされてきました。
堪り兼ねて去年、主に留る椿や山茶花、金木犀の数本に寒い中、エンヤコラとネットを被せました。効果があり、今季の冬は近所には居るものの、庭でけたたましく鳴かれることはありませんでした。
4月になりネットのあいだから木の芽が延び始めたので一旦ネットを外しました。
ヒヨドリの奴、お隣の屋根のアンテナに留って様子を見ている様でした。「こりゃ、また来るな」と思っていると、此方のタイトルに辿り着きました。
スリングライフルでの駆除が合法的に可能なのは知りませんでした。色々な方法で追っ払いたいのでスリングライフルを売っている店を探そうと思います。
巨砲を住宅街のベランダで作っていますが、昨年は早めに袋を掛けたため鳥害はありませんでした。
今年は暑く袋の中で焼けるといけないので色付き始めるまで待ったところ、見事にヒヨドリにやられました。慌てて袋と傘を掛けたのですが、数日後に袋を破られ3房ほど食べられました。キラキラテープを設置して一安心と思ったら三日目でまた10袋やられました。朝しらしら明けに来るようで風がないためテープは慣れられてしまった住宅密集地なので匂いや音は迷惑になるので使えず、クリスマスのイルミランプを朝つけようと思っているところでこのサイトを拝見しました。
なるほどと参考になることばかりで20mm以下のネットを探してみます。ミニトマトにかけてあるネットは45mm角でしたので参考になりました。
果物アロニアを生産しております。今年はヒヨドリの被害がひどかったです。キラキラテープ、ロケット花火などを使いましたがあまり効果がありませんでした。
ヒヨドリのロースト ヒヨドリのトマト煮込み 【ヒヨドリ】意外の材料はみんな
家にあるな。。。???????? イヤイヤ待て待て????
ご説明ありがたく伺いました。最もす速く、被害を無くすには、難しい鳥ですね、防鳥テープ、防鳥ネットをマイガーデンに試したいと思います。サンキューです。
ヒヨドリに「鳥よけテープ」で天敵である蛇だと勘違いして寄ってこなくなりますと書かれていたので試しましたがダメでした。
またカラスには効果抜群の強力レーザーポインターも使用してみましたが、ヒヨドリは全く効果なし。レーザービームを当てても、こちらを時々見るものの、黙々とダイコンの葉を食害していました。
ヒヨドリには「鳥よけテープ」も「レーザーポインター」も全く効果がなく、この記事は伝説上の話であって、実際とは異なると感じました。
やはりヒヨドリ対策には防鳥ネットしかないのかなと思いました。
追記
キンカンの実がヒヨドリに食害されましたので、キンカンの木を防鳥ネットで覆いましたが、防鳥ネットのわずかな隙間から入り、食べ放題。
ムカついて隙間のないように完璧に密閉したところ、今度は防鳥ネットの上に乗り、ネットの網目の隙間からキンカンの実を食害してました。
そこでキンカンの実が防鳥ネットに接しているところは、防風ネットを切って補強したところ、ヒヨドリによる被害はやっとおさまりました。
ヒヨドリによる食害は生やさしい方法ではだめだと痛感しました。
家の飼い猫を外に出しておくと先週はスズメをそして今日はヒヨドリを捕獲して家の中はむしられた鳥の毛が家の中一杯カーテンの裏側にヒヨドリの弱った姿すぐ捕まえてビニール袋で処理して明日のゴミ箱へちゃんと供養しました!可哀想だけど仕方無い!
うちは去年果樹を食い荒らされて、たった1羽のヒヨドリにリンゴ20個くらいダメにしました
膨張ネット二重かけして出れなくなった所を捕まえたけど、次から次に新手が来るので
焼け石に水です。
帰省本能が強い鳥なので一度フンをしたところからは決して離れません
レーザーポインターなどで追い払っても10分もすれば戻ってくるでしょう
白いネットに銀線の入った防虫ネット。10年ほど大切に大切に無事に使い続けてきたネット。
中玉トマトが成って、緑に瑞々しくふくらんで後は色づくだけ…と待っていたら嘴で掘った穴を開けられ( ̄^ ̄)
一房の半分が緑の内にやられ、赤みが差しはじめたトマトは防虫ネットの3〜4重巻きに護られたネットを食い破って皮さえ細切れになる程食べ尽くされました。
ネットの穴被害も甚大で防虫ネットにならない程の大穴を開けられました(T_T)
昨日、透明書類ファイルで房を囲んでガムテープで塞いでみました。
暑さで蒸れて腐るかも……(・・?)とも思いながらも今朝は無事です。
腐る前に2mmメッシュの防鳥ネットを探した方が良さそうですが、ヒヨドリの食い破るチカラに耐えるものを探すのもポイントそうですね。
細い嘴でつつく一方かと思っていましたが、明らかにメッシュ糸が千切れて破られています。と言って、ちぎれた破片が落ちている訳ではないのでハサミのように裁断するのではないようですが、嘴に鋸歯でもあるのでしょうか(・・?) 不思議なほど食い破ってきますねf^_^;