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害獣対策、害鳥駆除用のエアガンの効果とおすすめのエアガン

大事に育てた作物をヒヨドリ、ムクドリ、鳩、カラス、スズメといった害鳥、猿、アライグマ、ハクビシンといった害獣にめちゃくちゃにされた経験は農家の方や家庭菜園をやられている方なら一度は有るかと思います。また、畜産関係の方の中にはカラスの被害に頭を悩まされている方も多いかと思います。このページでは害獣対策、害鳥駆除にエアガンを使用しようとしている方向けに、エアガンでの害獣、害鳥駆除は可能か、駆除までいかなくとも撃退は可能なのか、害獣、害鳥駆除用のエアガンの効果とおすすめのエアガンをご紹介します。

害獣対策にエアガンは効果的か

害獣対策のエアガンの効果は、害獣が人間からどのような事を経験しているかでも効果が大きく変わるため一概には言えませんが、害獣にとってまだ慣れが生じていない場合、大きな効果が見込めます。しかしながら、一度の使用で二度と近づかなくなるほどの効果ではなく、継続的な使用が必要となります。

害獣が農地に近づくのはそこが魅力的な餌場であるからで、魅力度を下げる事により害獣が近づかなくなる効果を狙って害獣対策を行うのが基本的な考え方になります。害獣対策において魅力度を下げる方法は以下です。

  • 簡単には近づけないようにする
  • 何か異質な物を置いて警戒させる
  • 驚かせて危険な場所と認識させる
  • 天敵がいる場所と認識させる
  • 痛みを与え危険な場所と認識させる
  • 嫌がらせをして居心地の悪い場所と認識させる
  • 仲間を殺傷し危険な場所と認識させる

エアガンでの害獣対策は嫌がらせと痛みを与える事により餌場の魅力度を下げる効果を狙ったもので、 他の対策と組み合わせることで効果を上昇させることができます。単体での使用は慣れが生じてしまうため長期での効果は望めません。

猿撃退用のエアガンの効果

エアガンによる猿撃退は広く浸透してい方法で、実際にいくつかの県では害獣対策用にエアガンの貸与を行っている自治体もあります。エアガンは手軽に持ち運べ、使用場所を選ばず、だれでも使用できることから猿撃退用に優れた効果を発揮します。ただし、猿は毛皮があるのでエアガンで撃たれても痛みを感じることはなく、学習されてしまうと”人間が何か飛ばしてくるから嫌だな”程度の認識になり、長期的な効果は見込めなくなります。猿は学習能力が高く、学習する時間を与えると猿撃退の効果が低くなっていきます。猿撃退グッズの記事で紹介していますが、エアガンの使用だけでなく、柵の設置、猿が逃げられるような木の伐採、ロケット花火等を組み合わせて慣れや学習できる時間を与えないよう猿対策を行う事が長期で見た場合非常に重要となります。

また、猟銃での駆除を過去に行っていることが前提ですが、猿撃退用にエアガンを使用する場合ハンドガンタイプではなく銃身が長いアサルトライフルや、ライフルの形状をした物を使うとより効果的です。これは、猿が過去に銃に撃たれ、「銃を持っている人間は危険」と学習している事を利用する方法で、形状が似ている物を持っていればエアガンを撃たなくても猿を撃退することが可能です。

カラスのエアガン撃退効果

カラスは家畜用飼料、作物の苗などに被害を出すだけでなく、家畜小屋の牛に悪戯をするなど農家にとって忌むべき害獣です。カラス撃退方法はレーザーポインターの使用、案山子、爆竹等いくつかありますが、撃退のカテゴリの中ではエアガンは物理的に弾を発射する性質上カラスに恐怖を与えることが出来るため、追い払い効果が望めます。ただし、カラスも学習能力が高い害獣なので、エアガンは危険ではないと学習してしまった場合エアガンで追い払いを行っても、数十分後に戻ってきてしまいます。したがって、エアガン単体で追い払いを行うのではなく、ロケット花火や爆竹といった音が出るものと組み合わせると撃退効果の上昇が望めます。

ムクドリ、ヒヨドリのエアガン撃退効果

農家にとってはムクドリ、ヒヨドリ共に果樹を食害する忌まわしい害鳥ですが、農家以外の方にとっても住宅のベランダや屋根、車などに糞をするだけでなく、鳴き声が大きくうるさいので、嫌われている鳥です。ヒヨドリ、ムクドリの対策の中で一番効果があるのはネットを使用することですが、範囲が大きい場合コスト的な意味で対策に踏み切れない場合もあるかと思います。エアガンは導入費用が安く、ヒヨドリ、ムクドリ対策の初歩として試すのはお勧めの方法です。しかし、ムクドリ、ヒヨドリ共にしつこいので、エアガンのみで追い払いを行うのは不可能です。被害の低減という意味ではエアガンの効果は望めますが、完全にヒヨドリ、ムクドリを追い払うことは出来ません。

害鳥駆除用にエアガンは使えるか

エアガンの使用は害獣撃退という意味ではある程度の効果は望める事をご説明しましたが、害鳥駆除にエアガンを使用できるのか?は法律とエアガンの威力の二つの観点から考えなければなりません。

害鳥駆除に使用するエアガンの威力

一口にエアガンといっても様々な種類があり、威力、命中精度、価格などが異なります。害獣駆除用、農業用エアガンとして販売されている物を含む全てのエアガンは銃刀法の制約を受けるため、最も威力の高いエアガンでも0.98Jの威力が最高となります。初速でいうと99m/sが最高値で、これを上回るものは銃刀法に触れるため一般的に販売はされていません。銃刀法改正は2006年に行われたので、それ以前のエアガンは現在の物よりもはるかに高威力の物で、実際に改造エアガンでの強盗殺人事件が起こったほどです。ヤフーオークション等でまれに法規制の前に生産されたものが売りに出されることがありますが、0.98J以上の威力が出せるエアガンを所持しただけで法律に触れるので、そういった高威力のエアガンは購入しない事が得策です。

カラスやハトはエアガンで殺せるのか?

では規制範囲内の0.98Jの威力でカラスやハトといったを害鳥を駆除できるのか?についてですが、ハトやカラスは害鳥の中でも中~大型に分類されます。鳥類は総じて風切り羽を持っており、飛んでいないときは体が羽で防御されている状態になります。この状態だと角度によっては狩猟用のエアライフルでも羽で弾が弾かれる事があるほどなので、エアガン程度では全くダメージが通りません。したがって、狙うのは頭部となりますが、鳥類の骨が四足獣の骨よりも脆いとはいえ、ハトやカラスの頭部をエアガンで撃っても頭蓋を損傷させて即死させることは出来ません。したがって鳩の駆除、カラスの駆除にエアガンは良い選択とは言えません。

ムクドリ、ヒヨドリはエアガンで駆除できるか?

ムクドリ、ヒヨドリといった中型の鳥類に関しては頭部に数発撃ちこむことが出来るなら脳震盪をおこして捕獲できる可能性がありますが、動いている野生の鳥の頭部に数発撃ちこむことは不可能なので、エアガンでムクドリ、ヒヨドリを駆除する事は出来ません。スズメなら、至近距離(最高で10メートル)で弾のエネルギーが全て目標に伝わる角度で頭部を撃てれば駆除は可能ですが、スズメの頭部2センチほどと小さく、弾のエネルギーを伝えきれる角度となると更に目標が小さくなるため、難易度は高いと言わざるをえません。

害獣対策用エアガンの法律

上述しましたが、害獣対策用のエアガンは銃刀法の規制を受けるため、合法的に所持できるエアガンの威力には制限があります。その他に害獣を駆除するにあたり知っておかなければならない法律は鳥獣保護法です。鳥獣保護法とは野生生物の適正管理を目的とした法律で家畜とドブネズミ、ハツカネズミ、クマネズミ以外のすべての野生動物が対象となります。それ以外の鳥獣をエアガンで駆除することは鳥獣保護法に触れる可能性があります。鳥獣保護法第十一条2項イに法定猟法以外の猟法による狩猟鳥獣の捕獲等は猟期、狩猟鳥獣の種類、場所等、鳥獣保護法の範囲内でなら狩猟免許も許可もいらずに合法的に行ってもよいと明記されており、エアガンでの狩猟鳥獣の駆除はこれに含まれるのなら合法であると考えられます。しかしながら、この法律で許されているのは殺傷を含む「捕獲」であって、エアガンに十分な殺傷力が備わっているとは言えないため、エアガンで害鳥の駆除を行うのはグレーであると考えられます。

したがって、法的な観点から見た場合、エアガンを用いて害鳥を駆除するのは現実的ではないと思われます。威力の面からもエアガンでは害鳥を殺傷するのに十分な威力を有しているとは言えないため、エアガンで害鳥駆除を行うのは効果的ではありません。ですので、エアガンは害獣、害鳥の追い払いには使えるが、駆除には使えないというのが結論となります。

サル撃退、害鳥撃退に使用する場合のエアガンの法律

害鳥の駆除にエアガンは使用できないとご説明しましたが、サル撃退や害鳥の撃退、追い払いにエアガンを使用することの法律的な解釈はどうなっているのでしょうか。鳥獣保護法ではほぼすべての野生生物が保護の対象となっており、基本的に許可がなければ害鳥、害獣といえど捕獲、殺傷ができません。また、傷をつけることも禁止されているため、エアガンを使用する場合、害獣や害鳥の体にエアガンの弾を当てることは法律違反となる可能性があります。ただ、エアガンの威力で羽や毛皮を貫くことは不可能なので、目に当たることさえなければ傷つくことはなく、体に当たったところで多少の痛みを感じる程度であるため、エアガンで対象の体に向けて撃っても問題はないと思われます。また、多少の痛みを与えなければ危険だと認識してもらえないので、体に当てなければエアガンでの追い払いの効果も弱くなります。

エアガン以外で害鳥、害獣を駆除する方法

エアガンでの害鳥、害獣の駆除は現実的ではない事をご説明しましたが、自身で害鳥の駆除を行いたい場合どのような方法があるのでしょうか。ヒヨドリの駆除の記事やムクドリの駆除の記事で触れていますが、最も効果的に害鳥を駆除するにはスリングライフルの使用や網の使用がお勧めです。スリングライフルは大型の害鳥のカラスやハトの駆除にも使用できるゴムを動力とした銃型のパチンコで、所持、使用に免許、許可が必要ありません。スリングライフルはスコープを搭載できるため、命中精度は従来のパチンコよりも大幅に高く、威力はジュール換算で散弾銃の鳥撃ち用4号弾の約1.4倍となっており、害鳥を駆除するのに最適です。また、猟銃のように民家近くで発砲できないというような制限を受けることもないため、害鳥対策用のスリングショットに代わって農家の方が使用する事が増えてきています。スリングショットのご購入を検討している方はこちらのスリングショット通販店比較の記事を参考にしてみてください。

網での捕獲は自身の家がある敷地内で柵に囲まれているという条件付きですが、許可も免許不要で使用できるため猟友会の助けが得られない場所に住んでいる方は自身で駆除を行っているようです。ただし、網での捕獲はコツがいるためある程度経験を積まないと捕獲をすることは難しいのが現実です。

農業用エアガンとは

農業用エアガン”で検索をかけると楽天市場やアマゾンでの販売されている農業用にチューンナップしてあるとされるエアガンが表示されますが、実際のところは農業用と明記されているエアガンも、一般的に販売されているエアガンも威力は変わらないと断言できます。上述しましたが、エアガンの威力は法律によって規制されており、東京マルイ等のエアガンメーカーが販売しているライフル型、アサルトライフル型のエアガンのスペックを見る限りでは、法規制の上限目いっぱいでエアガンを生産しているため、これ以上威力を上げる余地がありません。もし、農業用に威力を上げるチューンアップがされているエアガンが販売されているとしたら、それは十中八九所持だけで違法となる改造エアガンとなります。したがって、農業用にエアガンを購入するのであればメーカーからの直売品を購入するのが最も安く済む方法になります。では、どのエアガンが害獣対策、撃退用に優れているのか見ていきましょう。

害獣駆除用エアガンのおすすめモデル

エアガンは的撃ちやサバイバルゲーム用に販売されており、害鳥を追い払う用途には不要な機能がついていたり、外観にこだわり過ぎて価格が高い物が多く存在します。また、エアガンは圧縮した空気を原動力にBB弾を飛ばしますが、空気の圧縮方法の違いや、威力の強さによって区分が設けられています。害獣対策用にはどの機構がお勧めか、3万円以下でどのエアガンを購入すればよいのかご説明いたします。

コッキング式のエアガン

コッキング式のエアガンとは手動で空気を圧縮するためのバネを引き弾を発射する機構を有したものを指します。ハンドガンタイプやスナイパーライフルの形状を模した物がコッキング式を採用している事が多く、一発ごとにコッキングを行う必要があるのがこのタイプのデメリットです。メリットは他の機構のものとは違い定期的なメンテナンスが不要な点です。

ガス式のエアガン

コッキング式は空気を圧縮するためのバネを引くことで弾を発射する物でしたが、ガス式はあらかじめガスを充填することで、引き金を引くだけで弾を発射する事のできるタイプを指します。ガスはガスガン用に販売されているフロンガスやCO2ガス以外は使用できず、ランニングコストという面では割高になります。また、ガスは低温下では性能が大きく低下するので寒冷地での外での使用は向いていません。ガスガンのメリットはコッキング式とは違いガスが続く限り連射できる事です。

ガスガンの中には本物の銃と同じようにブローバックという引き金を引くとスライドが勢い良く後退する機能を有したものがあります。この機能は見た目以外性能に影響を与えるものではなく、ブローバックで連射時に照準を合わせずらくなるので、農業用にガスガンを使用するのであればブローバックしないモデルをお勧めいたします。

害鳥対策には電動ガンがお勧め

電動ガンは空気を圧縮するバネをモーターを使用して引くことで弾を発射する機構を有したもので、アサルトライフル、マシンガン形状のタイプがこの機構を採用していることが多いです。電動ガンはバッテリーを必要とする反面、ガスガンと違い充電さえすれば連射も可能で、気温による影響も受けないため害鳥駆除、害獣対策に使用するのであれば電動ガンが一番お勧めです。

電動エアガンのメーカー

エアガンメーカーは色々ありますが、購入は東京マルイが制作している物が一番おすすめです。中国製の電動ガンが農業用エアガンという名目で安く販売されているのが散見されますが、エアガンをカスタムできる人以外は中国製の電動ガンはお勧めしません。中国製のものは品質の良し悪しにムラが有り、射撃精度に関してもバラツキが大きいのが特徴です。また、東京マルイの製品であるなら故障時に手厚いサポートを受ける事が可能ですが、国外製のものだと自身で修理するかショップ持ち込みで修理しか方法がありません。したがって、カスタムベースで使用するか自身で調整できる人以外は購入後に後悔する事が多いため、害鳥、害獣対策用に使用はお勧めできません。

18禁モデルと10禁モデルの違い

エアガンを購入するうえで必ず確認しなければならないのが、購入する予定のエアガンが18禁モデルなのか10禁モデルなのかです。両者の違いは初速による年齢制限の違いで、10禁モデルは初速30~45m/s程度、18禁モデルは初速75~90m/s程度となっており射程距離が10禁モデルで25メートル程度、18禁モデルで50メートル程度と二倍ほど差があります。害鳥対策用に使用するのであれば威力の高い18禁モデルがお勧めです。以上を踏まえたうえでどの電動ガンがお勧めなのかご紹介いたします。

東京マルイ No.48 ステアーAUG

害鳥対策用 農業用 エアガン 東京マルイ No.48 ステアーAUG

こちらのエアガンは2012年に発売された物で、特徴は銃身が短く持ち運びが容易な点です。ただし、重量が若干重く、使用には多少筋力が必要となりますが、初速は箱出し(カスタムしない標準の状態)で0.2gのBB弾で90m/秒と高く、価格も他の電動ガンよりも割安な点がおすすめの理由です。

スペック

全長805mm
重量3,400g
装弾数80
参考初速89.7m/s
参考価格26,763円(アマゾン2022/10/2現在)

東京マルイ No65 コルトM16A1

害鳥対策用エアガン 東京マルイ No65 コルトM16A1-min

M16アサルトライフルを模したこちらの電動ガンは剛性が良く、装弾数も190発と大きく、価格帯も手ごろな25000円以下、初速も90m/秒以上と害獣対策用に申し分ないスペックがおすすめの理由です。サバゲーでも人気なモデルでアマゾンでの評価も星4以上と購入者は大変満足をしているようです。

スペック

全長984mm
重量2,900g
装弾数190
参考初速90m/s
参考価格23,280円(アマゾン2022/10/2現在)

東京マルイ No85 M14 SOCOM

害鳥対策用エアガン 東京マルイ No85 M14 SOCOM

M14アサルトライフルを模したこちらの電動ガンは初速がトップクラスで速く、命中精度が群を抜いて良いのが特徴です。価格が若干高いのが気になりますが、電動ガンの中では最高レベルの性能を有しているので、迷ったらこれを購入すれば間違いありません。

スペック

全長964mm
重量3,650g
装弾数70
参考初速94m/s
参考価格35,980円(アマゾン2022/10/2現在)

まとめ

害獣駆除にエアガンを使用することは難しいのですが、害獣撃退にはエアガンは効果を望めるアイテムだといえます。すでに地方自治体で採用されている方法でもありますし、害獣対策の一歩としてエアガンを導入するのもよいかもしれません。

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