Slingshotrifle

スリングショットライフル

自由猟法での自由猟具の種類と一覧

近年、狩猟免許を取得せずに気軽に狩猟体験ができる方法としての自由猟具、自由猟法が注目を集めています。自由猟法で使用できる自由猟具はどんなものがあるのか、自由猟具一覧と実際にどのように使われているのか解説していきます。

自由猟法って何?資格は?狩猟者登録は?

自由猟法は鳥獣保護法第十一条1項2号のイにて定義されています。実際の条文はここでは割愛しますが、自由猟法とは「鳥獣保護法の範囲内で狩猟期間内に、法定猟具(網、罠、銃)を使用せず、かつ禁止猟法にあたらない方法で、狩猟行為が禁止されていない場所で狩猟鳥獣を狩猟者免許取得と狩猟者登録を行わずに捕獲する行為」を指します。法律上は自由猟法という言葉は出てきませんが、一般的に上記の行為のことを自由猟法と言います。

したがって、自由猟法を行うのに免許も資格も必要ありません。

狩猟者登録は、鳥獣保護法で規定されている「狩猟」を行う人(法定猟具を使用して鳥獣を捕獲する行為を狩猟と定義しています)が登録をしなければならないので、狩猟ではない自由猟法を行う人は狩猟者登録をする必要はありません。狩猟税に関しても同様の解釈ができます。

鳥獣保護法の原文と自由猟の法的根拠、狩猟者登録と狩猟税に関しては自由猟具の記事でさらに深く論じているので、興味のある方は読んでみてください。

自由猟具の種類と一覧

自由猟具とは法定猟具の網、罠、銃に分類される道具以外で、さらに禁止猟法である以下の道具、方法に触れない道具の事を指します。

  • 釣り針、とりもち
  • キジ笛
  • テープレコーダーを使用してヤマドリ、キジをおびき出す行為
  • 犬にかみつかせる行為
  • 爆発物、劇薬、毒薬、据え銃、落とし穴

これらの道具以外を使用して鳥獣を捕獲する場合なら、その道具は自由猟具と呼ばれます。鳥獣保護上の定義での狩猟とは法定猟具を使用して鳥獣を捕獲する行為を指すので、自由猟具を使用する場合「狩猟」とは言いませんが、便宜上ここからは狩猟という言葉を使います。

自由猟具の例として以下のような物が挙げられます。

自由猟具一覧狩りやすさ手に入れやすさ値段
ペレットクロスボウ★★★★★★
バット★★★★★★★
ナイフ★★★★★★★
素手★★★★★★★★
投石★★★★★★★★★★
ブーメラン★★★★★
スリングショット★★★★★★★★★
スリングライフル★★★★★★★★
★★

自由猟具での弓、ボウガンの扱い

自由猟具 弓

鳥獣保護法の定義上は矢を使用して捕獲行為を行うのは禁止猟法に当たります。したがって、矢を使用する弓、ボウガンも違法となりますが、ボウガンの中には球状の玉を射出できるペレットボウガンというものが存在します。ペレットボウガンが射出するのは矢ではなく球なので、ペレットボウガンは合法ということになります。一般的に矢とは先端に矢じりがついて矢羽根がついたものを”矢”と呼ばれていますが、矢とはどういうものなのか法律上の定義が過去の判例に存在しないため、現時点では確実にペレットボウガンの使用が合法だとは言えないません。つまり矢の定義がはっきりとされていない現行法でのペレットボウガンの使用は控えたほうが賢明であるといえます。

スリングショットで矢を飛ばせる物もありますが、「矢」を使用した時点で違法になるので、矢の使用は絶対に行わないようにしましょう。また、先端の尖ったものが「矢」とされる可能性も十分にあるので、球状の弾以外は使用しない方が賢明だと思われます。

自由猟具の槍で自由猟法を行う

自由猟具 槍

槍は自由猟具として使用可能です。ただし、銃刀法で定義されている刃渡り十五センチメートル以上物が先端についている槍は所持に許可がいるのでご注意ください。竹槍や、ステンレスパイプの先端を切ったような物や、木の棒にナイフを括り付けた物はこれに該当しないので、槍で狩猟を行おうと考えている人は自作槍一択ではないでしょうか。

しかし、現実問題として訓練を受けていない人が槍で大型の獣を狩ることは不可能でしょう。一方で、槍での狩猟を行っていた部族は存在するようです。これは、過去に知り合った友人がモン族という部族の出身で、彼女から聞いた話です。タイに住むモン族は、槍を使用してイノシシを狩っていたそうです。それは全身に猪のヌタ場の泥を塗り、イノシシが通りそうな獣道に生えている木の上に上り、ひたすらイノシシが来るのを待つという方法です。イノシシが来るとタイミング良く木から飛び降りて槍をイノシシに突き刺し、格闘して仕留めるそうです。

ほかにも、南アフリカにすむ部族は何日も獲物を追いかけ続けて、獲物が疲れて弱った所で投げ槍で止めを刺すという話も聞いたことがあります。どちらの方法も法律的には問題ないのですが、一般的な日本人では不可能な方法であり、かなり危険が伴うので絶対にお勧めはできません。しかしながら、山でイノシシや、クマに運悪く出会ってしまうという事が有るのは事実で、そういった場合に備えて槍を携帯するのはアリだと思われます。

したがって、槍での狩猟は山での護身用と止め刺しに使うぐらいではないでしょうか。

自由猟法のバット

自由猟法 バット

バットも自由猟具として狩猟に使用することができます。バットは一番簡単に手に入る自由猟具ではないでしょうか。しかし、バットも槍と同じで至近距離まで近づく必要があるので、バットで狩猟を行うのは非常に難しいと思われます。そもそも野生の生物に触れることのできるくらいの距離に近づくことは不可能です。野生生物が人間に危害を加えるときは偶然が重なって、誤って獣が人間に近づいてしまう事が原因で。危害を加えようと野生の獣が近づいてくる事はありません。ただし、人間の味を知った熊だけは積極的に人間を捕食しようと近づいてきます。槍と同じように山での護身用にバットを携帯するのは良いと思いますが、襲ってくる獣に対してバットで一撃で昏倒させることは難しいでしょう。

大型の獣ではなく小型の獣ならば近づくことさえできればバットで撲殺することは十分に可能です。実際、過去に狩猟鳥獣のアナグマをバットで撲殺して捕獲した高校生が、ツイッターにて画像を上げ炎上した出来事があります。捕獲した時期が猟期だったので罪に問われることはなかったようですが、炎上の原因は死体の写真を公共の目に触れる形アップロードしたためです。都会に住んでいる害獣の被害にあったことのない人から見れば、生き物を殺すということは、生理的に受け付けられない事で、自由猟法が合法だとしても、人目に付くような形で狩猟を行うことは避けるべきだと思います。

自由猟具のナイフ

ナイフは狩猟の必需品です。止め刺しを行う、獲物の解体を行う、枝打ち、藪漕ぎ、危険な獣に遭遇した際に自信を守るための武器と用途は様々です。ナイフ一本で獣を仕留められるのかどうかは別として、ナイフは自由猟具として使用可能です。ただし銃刀法の兼ね合いもあるので、刃渡りの長さには気を付けてナイフを購入してください。

北海道に住んでいる先住民族であるアイヌ民族の方に聞いた話ですが、その方のひい爺ちゃんが若いころに日高の方でクマをナイフで仕留めた事のある人が居たとの事です。クマを仕留めるには冬に冬眠中のクマの巣穴を見つけて銃で撃つのが一般的な方法であった。ある時クマの巣穴を見つけたアイヌの猟師がクマの巣穴の前に火を焚いて、いぶしてクマが飛び出たところを撃とうとしたが、初撃で致命傷を与えることができず、もう一度発砲しようとしたところ弾が不発だったため、クマに突き飛ばされ襲い掛かかられた。とっさにナイフを抜いてクマと格闘して仕留めたがその猟師も大怪我をした事件があったようです。

ナイフを自由猟具として使うのは現実的でないにしろ、狩猟を行う際はナイフが必要になるのでアマゾンで一本購入しておくのは良いかもしれません。

素手、投石、ブーメラン

自由猟法 ブーメラン

道具を使わず、素手、投石での狩猟鳥獣の捕獲も猟期であるなら合法的に行えます。野生の獣類の捕獲は素手では不可能ですが、鳥類なら不可能とも言えません。2019年にベトナム人の男が、東京都江戸川区に流れる新中川の中州で夜に休んでいるカモを素手で捕獲し、逮捕されるという事件がありました。捕獲を行ったのが8月と猟期から外れていたため、鳥獣保護法違反ということで逮捕されましたが、夜にカモが休んでいる場所が分かれば、素手でも捕獲が可能というがこの事件からわかります。

投石に関しては、紐に石を挟み込むことのできる弾受け部が付いたスリングというものを使用して狩猟に使用されていた歴史があります。

ブーメランはアボリジニが使用してい歴史があり、戦闘用、狩猟用と形状や用途が違うものを使用していたようです。狩猟用のブーメランはそれで獲物を狩るというより、ブーメランの戻ってくる性質を利用して、地面にいる鳥類の獲物に対してデコイのような使用を行っていたようです。

自由猟法のスリングショット、スリングライフル

スリングショットライフル

自由猟具で一番使用されているい道具がスリングショット、スリングライフルです。スリングショットはゴムを動力として物体を射出する道具の総称で、スリングライフルはスリングショットと同様、ゴムを動力とする銃型の機構で球を射出するための道具を指します。スリングショットは世界中で使用されており、スリングショットハンターのオンラインコミュニティが存在したり、スリングショットの大会等が開催されるほど愛好家が多いことが特徴的です。

スリングショットは自由猟具の中では一番簡単に鳥獣が狩れる道具ですが、それなりに練習も必要とされます。スリングショットコミュニティの方々の情報によると、狩猟でスリングショットが使えるようになるまでの必要練習量は40時間~80時間が一般的です。一方スリングライフルはほとんど練習を必要とせず、命中精度もスリングショットよりも高く、威力、射程も圧倒的にスリングショットよりも優れているため、近年ではスリングライフルが害獣駆除、害獣対策、自由猟の主流となっています。

ただし、スリングライフルはスリングショットよりも高額なため、練習時間を考慮してどちらのほうが自分に合っているか考える必要があります。スリングショットをお求めの方はこちらのスリングショット販売ページからお買い求めいただけます。スリングライフルをお求めの方はこちらからご購入いただけます。

防犯用のスリングショットをお探しの方はスリングショット通販のページで価格比較と販売店比較を行っているので参考にしてみてください。

スリングショット、スリングライフルでは何が狩れるのか?

スリングショット、スリングライフルを利用した自由猟法では主に鳥類がターゲットとなります。獣類はウサギ程度の小型のものであれば狩ることができますが、それ以上大きくなると確実に致命傷を与えるのが難しくなるため、スリングショット、スリングライフルで狙うのは現実的ではないでしょう。

鳥類であっても、風切り羽で守られている胴体部分は防御力が高いため、それ以外の部位を狙わなければ致命傷を与えられません。エアライフルでも角度が悪ければ弾かれてしまうほど、カモ類の風切り羽の強度は高く、カモ類を狙うには正確な射撃の腕が必要とされます。

自由猟具のエアガン

自由猟具 エアガン

自由猟具としてエアガンは使用できるのかどうかについて、結論を言えば使用はできます。しかし、合法的に販売されているエアガンの威力は0.98ジュールと弱く、ムクドリ、ヒヨドリなどの小型の鳥類の頭部、頸部にヒットさせることができれば、もしかしたら行動不能にできる程度であるため、狩猟用、害獣対策用としての使用はお勧めできません。また、スリングショット威力ランキングの記事で説明していますが、狩猟用のスリングライフルの威力は15~19ジュール、スリングショットは5~10ジュールとなっており、鳥類を確実に行動不能にするにはそれくらいの威力が必要となります。エアガンを改造し、威力を上げれば狩猟に使用できるようにはなるでしょうが、改造エアガンは銃刀法に触れるため非常に厳しく罰せられることとなります。また、害獣にエアガンを使用する場合の法律は銃刀法以外にもあるためエアガンの使用は慎重になるべきです。

追い払うことが目的ならば、エアガンの使用は有効といえますが、大抵の害獣は追い払ってもすぐに戻ってきてしまうので、根本的な対策にはなりえません。鳥害獣の追い払い方は”カラス撃退にレーザーが効くのか?””カラスの撃退方法はスリングショットがお勧め”の記事でいろいろな方法に関して詳しく説明しているので参考にしてみてください。

自由猟法の鷹

鷹を使用しての狩猟は古くからの歴史があり、鷹匠と呼ばれる鷹を飼育を狩猟に使っている人たち今でもいます。鷹を狩猟に利用するのは非常にハードルが高く、鷹の入手、鷹の育成、訓練など、狩猟免許を取るよりも時間とお金がかかる方法です。現在、鷹匠は害獣駆除を生業としており、鷹は狩猟というより害獣の追い払いメインで使用されている方法のようです。

自由猟法で現実的に駆除、狩れる鳥獣とは

威力、精度、射程距離の観点から現実的に考えて、自由猟法で使用できる道具はスリングライフル、スリングショット、鷹の3種類となります。鷹は訓練が必要になるため、敷居が高いだけでなく、駆除依頼を鷹匠に出す場合もそれなりの費用がかかります。したがって、自身で鳩の駆除猿よけ、カラスの撃退を行う場合スリングショット、スリングライフルの使用が最も理にかなっているといえます。

スリングショット、スリングライフルの威力で、鳥類は問題なく殺傷できまするため、ムクドリの撃退ヒヨドリの駆除をこれらの道具で行っている方は多いようです。しかしながら、獣類は分厚い毛皮があるので、スリングライフル、スリングショットでは狩ることは出来ません。獣類で狩ることが可能なのはイタチや、ウサギといった小型の獣類までとなります。

まとめ

自由猟具は様々なものがありますが、現実的に狩猟に使用できる物は限られています。自由猟法は法定猟法と比べて簡単に狩猟を始めることができる反面、獲物を狩るのが難しいため、本格的に狩猟を始める前の狩猟体験という位置付けになります。自由猟法で狩猟体験をした後は、実際に狩猟免許を取って法定猟法で狩猟を始めてみてはいかがでしょうか?

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