Slingshotrifle

中華製スリングライフルを通販で買ってみた件

中華サイトといえばAlibabaやaliexpressが有名どころですが、日本では売っていない面白アイディア商品や、中国人らしい奇抜な発想の商品など見ているだけで面白いものです。この記事は、スリングライフル販売事業を行う前に行った他社製品の品質確認で中華製スリングライフルを通販で購入した時の記録と、中華製スリングライフルのレビューです。

中華サイトAlibabaと aliexpressとは

中国アリババグループとはアリババ、アリエクスプレス、Taobao等の通販、マッチングサイト運営だけではなくalipay等のキャッシュレスシステムの事業を行う超巨大グループのことです。実質的に中国での通販サイトはアリババグループ一択といった感じで、中華製スリングライフルを通販で購入をするならアリババかaliexpressのどちらかになります。

AlibabaとAliexpressの違い

アリババとアリエクスプレスの違いは、アリババはBtoBの事業のマッチング、アリエクスプレスはBtoCのマッチングを主としており、価格はアリエクスプレスのほうが若干高いですが、アリババは最小購入ロットが多く、個人でスリングライフルを購入するならアリエクスプレスが購入先となります。どちらもマッチングサイトなので、購入はアリババからではなく、アリババのサイトで商品を見つけ、その店から商品を購入するという流れになります。従って、購入先の店が信頼できるかどうかの判断ができないと落とし穴に落ちてしまうことになります。

中華サイトの通販は安全なの?

中華サイトでスリングライフルの通販を検討している方が気になるのが、商品はきちんと届くのか、品質はどうなのか、というところでしょう。結論から言えば、日本で通販で購入するよりも遥かにリスクは高いです。まず、やり取りは英語が基本になります。商品自体は必ずとは言いませんが届きますが、大幅に遅延することもたびたび起こります。さらに最悪なのは、商品が輸送中に消える事がある事です。商品が期日以内に届かない場合、お店に連絡して商品がどこにあるのか確認してもらわなければならないのですが、商品が輸送中に消えるというのもよく起こるので見つからない場合、再発送してもらうことになります。再発送をしてもらうにも、お店によってはトラッキングできないだけかもしれないので1、2か月待ってそれでも届かない場合は発送しますというような事を言われることも多く、運が悪ければ商品到着まで何か月か必要な場合もあります。

品質に関しても、間違った商品を送ってくることや、写真と違うものを送ってくるということも頻繁にあるようで、トラブル発生時に自分で対応できる能力と時間がある方以外は中華サイトでの通販はお勧めできません。

中華製スリングライフル販売店Dandy Store/MRTNAN Shooter Store

今回はスリングライフルを2丁こちらのお店とこちらのお店から購入しました。どちらのお店もアリエクスプレスで3年~5年間の実績があり、スリングショット、スリングライフル、スリングショット用のゴムを販売しています。お店の人のレスポンスもよく、レビュー実績も4.5以上、価格もそこそこ安いので、こちらのお店で問題ないかと思い購入してみました。

商品を選ぶ

一口に中華製のスリングライフルといっても様々な種類があります。

中華製スリングライフル 通販 サイト

 

このように小型で携帯に便利なものや

スリングライフル

弾をコッキングして連続で撃てる物等、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。

中華製スリングライフル

今回は以下の2点を購入しました。

中華製スリングライフル 購入

中華製スリングライフル

商品購入までの流れ

買う商品が決まったら、商品をカートに入れるか、”今すぐ購入”ボタンを押しましょう。購入方法はアマゾンや楽天と同じですね。

スリングショットライフル 通販方法

そうすると会員登録の画面になります。

メールアドレス、パスワードを入力し「マイアカウントを作成する」をクリックすると、確認メールが入力したアドレスに送られてきますので、本登録に進みアカウントを作成してください。会員登録を済ますと配送先住所入力、支払方法の選択を行い、「注文する」をクリックします。

中華製スリングライフル 購入方法1

支払方法

支払方法はVISAかPAYPALの二種類を選ぶ事ができます。国外からの発送なので着払いや銀行振り込みは使えません。中国での個人情報、カード情報の漏洩は頻繁にあるので、リスクを避けるためクレジットカードではなく、PAYPAL経由で支払いをするようにしましょう。

商品発送

商品の代金支払い後3日で商品が発送された連絡がありました、商品は2つの小包で部品を分解した状態での発送とのことでした。商品到着まで10日ほどだということなので待ちました。MRTNAN Shooter Storeのほうは問題なく到着しました。Dandy Storeの方も一つ目の小包が到着、先に届いたのはポールと部品の半分でした。

中華製 スリングライフル 小包

残りはいつになるのか楽しみに待っていましたが一向に届きません。それから二週間が経過、トラッキングもアップデートされず、さすがにおかしいと思い購入元に連絡。発送業者に確認すると返答があり待つこと1週間、連絡がないのでどうなっているのか聞いてみると貨物の行方が分からないとの事、もしかしたらトラッキングできないだけで貨物が届くかもしれないのであと一か月待ってほしいと連絡があり、しぶしぶ待つことに。その後一か月立っても残りの部品が届かず、購入元に連絡すると、貨物がどこかでロストしたようなので再発送するとの事。それから二週間後にようやく日本に到着とトラッキングで確認できました。しかし、さらなる問題が発生。

武器輸入申請

スリングライフルは武器に該当するので、輸入する場合は武器輸入申請が必要になります。この事を失念していた私は慌てて承認を取ることにしました。

スリングライフルは”スタータピストル、護身棒、投石機、水中銃、スタンガン、ナイフ”等の項目になるため、実行関税表93.04が該当します。必要書類はこちらの経済産業省のページよりダウンロード出来ます。

https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/03_import/17_buki/index.html

必要書類は以下の三種類。

(1)輸入承認申請書 【原本2通 ※両面印刷】
(2)機械類輸入承認申請明細書(別紙様式1) 【原本1通 ※両面印刷】
(3)当該申請貨物のカタログ類 【1通】

記入例を見れば問題なく申請書を作成できますが、ちょっとした間違いでも受理してくれないため記入例をしっかりと読み込む必要があります。また申請から承認まで1か月以上かかるため、武器輸入申請を先に行っておくと良いかもしれません。注意点として申請書類の他に、住所が記載された返信用の封筒も同封する必要があるので忘れないようにしてください。

スリングライフルの武器輸入承認は特別な資格が必要ないので、書式と内容がきちんと記入されていれば許可は下ります。許可が下りると許可印が押された申請書の原本が返送されてくるので、それを通関業者に送り通関してもらうことになります、その際に関税、消費税の計算も行われるます。これらの支払いは業者が立て替えて、後日請求書が届くので支払いを行いましょう。

武器輸入申請は法律上必ず必要になるのですが、発送方法によっては通関で止められずにすんなり入ってくる場合もあります。過去に水中銃の輸入販売を行っていた経験上、通関で止められて承認を取らないと通関出来ないと言われるのはEMSで3~4割ほどです。Fedexでの発送の場合ほぼ確実に申請が必要になります。

商品の到着

武器輸入許可を取り、ようやく商品が到着。ここまで購入から3か月半かかりました。早速本体の組み立てにかかりました。商品の組み立ては説明書がないので、自分でパズルを解くように行わなければなりません。届いた商品はこんな感じです。

中華製スリングショットライフ 組み立て

特に困ったのがどのネジがどこに入るのか試しながら組まなければならない点です。何とか組み立てましたが、組み立てに2時間かかりました。

商品の不具合

早速製品の出来具合を確認したところ、不良品?なのか気になる点がいくつかあったので紹介します。

ライフルスコープの取り付け部の不具合

スコープとスリングライフルは平行になっていなければ標的をうまく狙うことはできません。よってスリングライフルの精度はスコープマウントの作りがどうなっているかが非常に大事になります。今回購入したスリングライフルはこの部分の作りが非常に甘く、スコープを取り付けると目視で見てもわずかに左に曲がっている事に気づきました。

中華製スリングショットライフル 不具合

この曲がりはかなり致命的で、角度が中心から1度ずれていると20メートル先で30センチほど中心からずれることになります。スコープにもよりますが、スコープの調整機能で合わせられるのが20メートル先で17~30センチなので、スコープで調整できる範囲を超えていることになります。

部品の破損

上記のスコープマウントの曲がりのせいで、スコープで狙うのは難しいので目測で試射してみたところ次の問題が発覚しました。10発くらい撃ったところでパーツが破損してしまいました。

中華製スリングライフル 破損

この部品はスリングライフルの先端に付いていた照準部品なのですが、ゴムが当たりぽっきりと折れてしまいました。鉄製品なのでそんなに脆いはずがない部品ですが、こうも簡単に折れると他のパーツも簡単に折れそうで怖くなりました。

ゴムがすぐ切れる

スリングライフル本体購入時についていたゴムの耐久性は皆無です。弾受け部が脆く、一度ゴムをロードしただけで切れてしまうものもありました。

中国製スリングライフル ゴム

ゴムがセットできない

銀色のほうのスリングライフルですが、そもそもゴムをセットできない不具合がありました。ゴムをセットするには、ゴムを穴が開いている部分に通してゴムの中に入ってる小さな鉄球で抜けないように引掛ける仕様なのですが、ゴムをロードするのに引っ張ると、ゴムが穴からすっぽ抜ける不具合が有りました。そのためゴムの先端に結束バンドをつけゴムがすっぽ抜けないよう加工する必要がありました。

中華製スリングショットライフル 不良品

トリガーが固い

射撃を行う際にトリガーを一気に引くと反動で狙いがぶれ、この引き方をガク引きと言います。精密射撃を行うにはトリガーを絞るように引く必要があるのですが、購入したスリングショットライフル2丁とも、人差し指一本ではなく、人差し指と中指を重ねて力を込めなくては引き金が引けないほどトリガーが固かったです。当然、反動で正確な射撃は不可能でした。

スリングライフルトリガー

フォーク部が狭すぎる

フォークとはゴムを固定する部分を指します。このフォーク部分の広さは弾着に影響を与える要素の一つで、ゴムの長さに対して狭すぎる場合、精度が著しく下がります。これは左右のゴムがフォークを通過する際にお互いに干渉しあう事が原因で、スリングライフルのように強力なゴムを使う場合、この影響が顕著に表れます。購入した2丁共に、このフォーク部分が狭く、20メートル先での弾着は25センチ程度と狩猟用としては使えない精度でした。

中国製スリングショットライフル フォーク不良

返品返金対応

上記の不具合のうち、トリガーが固い、フォーク部が狭すぎる以外は明らかに製品の不良なので、アリエクスプレスを通して返金を申請しました。結論から言うと一部返金は認められましたが、そこまでに至るのが大変でした。

アリエクスプレスの返品返金対応

アリエクスプレスで返品、返金を行うには、送られてきた商品が事前に合意した商品の写真、仕様と異なる事を証明する必要があります。アリエクスプレスはアマゾンのように無条件で返品に応じるような顧客にやさしいシステムではなく、どちらかというと販売者側が有利になるような方法を取っている印象を受けました。まずは、商品の破損、曲がりの写真を購入元に送り、商品の不具合を説明しました。しかし、一向に返事がなかったため、アリエクスプレスの返金システムを使用しアリエクスプレスに間に入ってもらい返金を進めることにしました。その後すぐに、購入元が代わりの部品を送るので申請を取り下げるよう連絡をしてきましたが、スコープマウントの曲がりはそもそも代わりの部品で正常に使えるような物ではない点、こんなに簡単に破損するのであれば他の部分も壊れるのではないかという懸念から返金を望む旨を伝えました。

購入元は納得いかないので、返金は行わないと言ってきたので、アリエクスプレスに商品の不具合を説明し、全額の返金を望む事を伝えました。しかし、アリエクスプレスは全額ではなく商品代金のみの返金を行い、商品の輸送にかかったお金は購入者が支払うべきとの判断を下しました。私的には使えない不良品にお金を支払うのは納得行きませんでしたが、これ以上争っても時間がもったいないのでそれで良しとし、この件は終了としました。

アリエクスプレスでスリングライフルの購入は、不良品が届く事、返金申請が非常に大変な事が有るためお勧めはできません。

まとめ

中華製スリングライフルの通販を検討している方向けに、実際に購入してみた経験とスリングライフルのレビューをご紹介しましたが、値段が安いものは品質も悪いということが改めてわかる結果となりました。武器輸入承認や商品の輸送中のロスト、返品返金が非常に大変なことを考慮すると、アリエクスプレスでスリングライフルの購入はお勧めできません。害獣駆除や狩猟にスリングライフルを使いたいという方向けに安心して商品を購入していただけるよう、弊社では狩猟用の高品質高精度スリングライフルを取り扱っております。購入はこちらからお願い致します。また、スリングライフルは高くて手を出せないという方にはスリングショットも取り扱っているので検討してみてください。

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